○おかき皇
◆おいしさのひみつ
(1) 電子レンジ技術の必要最小限利用
おかきを焼く工程は、大きく四つに大別できます。社内用語で恐縮ですが「予熱」「浮かし」「芯抜き」「色付け」の四工程にです。このおかき皇では、その内の浮かし工程のみに限定して、電子レンジ技術(高周波)を利用しています。その他の工程は、従来どおりのガスバーナーです。そうすることで、高周波焼き特有の味気ないスカスカ状態になることを極力防止しているのです。
(2) 新技術の常温除湿式生地乾燥法
このおかき皇の生地は、厚さが12ミリほどもあります。こんなぶ厚いおかき生地を、割れないように芯まで均一に乾燥するのは、非常に骨の折れる至難の技なのです。弊社ではそれを、常温除湿乾燥することで可能にしています。
(3) 調味塩の表面がけ
塩分の摂り過ぎを防ぐために、塩味を一番強く感じる表面がけにしています。
サラダがけした後、まず片側表面に塩を振りかけ、次にわざわざ裏返して再度塩を振りかけているのです。おいしさの徹底追求のためには、そんなていねいな仕事が非常に大切なのです。
◆エピソード
個包装の袋デザインに関する秘話です。
弊社京都店は京都御苑の下立売御門の真前にあります。その下立売御門を入って左手へ少し歩くと、土産物を売る売店があります。その売店で私播磨屋助次郎は新発見をしたのです。
売られている饅頭やせんべいの包装紙すべてに、皇室の御紋章である十六弁の菊花紋が、いかにも仰々しく印刷されていたのです。菊の弁数を何回も数え直してみましたが、確かに十六弁でした。私は思いました。こんな使い方をしてもよいんだなと。
さてそこでおかき皇ですが、皇は天皇の皇の字です。私はちゅうちょすることなく、十六弁の菊花紋を大小こきまぜた菊花散らしの小袋デザインを制作し発売したのです。ところがしばらくして、宮内庁からクレームが入ったのです。菊の御紋章を菓子袋に使うのはいかがなものかとです。私は即座に先の京都御苑の土産物の話をして反論しました。
それから8年余りになりますが何の音沙汰もありません。因みに今は十七弁に修正しています。無用の争いは、私の好むところではありませんから。
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